2022.08.12
ensou
ラブ・ストーリーは突然に。
東京ラブストーリー
そんな名前のトレンディードラマがあったのは
だいぶ昔の話ではあるが
自分の元に
そんな出来事が起こったのが今年入ってすぐの頃の話
片想いで終わるのか
両想いになる時が来るのか
頭の隅で何かがチラチラしていた
結局、自分の力の無さを棚に上げて
告白を認め続けていた頃
一本の電話が鳴る
思わずテンションが上がって
初めて話す会話とは思えないくらい
一方的に気持ちを伝えてしまった
こんな巡り合わせもあるのだなと
少し浮かれていた
“Please Call Me,Baby”
このテーマだけで十分興奮した
展示会で初めてお目に掛かった西川さんは
やっぱり自分が思っていた通りの方で嬉しかった
「そのデニムジャケット面白いね」
僕の後方から飛んできた
西川さんの些細な一言から始まった会話は
僕のensouに対する思い出話を加速させるトリガーになる
会場を後にしたとき
溜息が溢れた
自分の中で
何かまた一つ、前に進めた気がした
ensouの服を
改めて自分のフィルターに通してみたときに
儚さの奥深くに眠る
真の強さみたいな物を強く感じることが出来た
それは見た目には決して出ること無い
きっと
人間で言えば、丁度今の自分くらい
中年になった頃から醸し出される
言わば人としての”深み”に近いのかもしれないと
現代には似つかわしく無いかも知れないが
手にした数年後
己のクローゼットと対峙した時に
あの時買って良かったと
自然と滲み出る感情
そんな些細な高揚感を与えてくれる洋服達なのかも知れない
“あの日あの時あの場所で君に会えなかったら
僕等はいつまでも見知らぬ二人のまま”
こんな一節が似合うんじゃないだろうか
星野